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虫歯や被せ物がある方の矯正相談|誰が・どの順番で治療するか
「歯並びを整えたいけれど、虫歯もあるし、古い被せ物も気になる。こんな状態で矯正なんてできるのだろうか」――そう思って相談をためらっている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、虫歯や被せ物、歯周病があっても、多くの場合は矯正を諦める必要はありません。ただし、それらを「どの順番で」「誰が」治療していくかがとても大切です。順番を間違えると、せっかく並べた歯並びに合わない被せ物が入ってしまったり、治療の途中で虫歯が進んでしまったりすることがあるためです。
この記事では、福岡市博多区の加茂歯科医院が、虫歯・被せ物・歯周病がある方の矯正について、治療の順番と担当の役割分担、そして総合的に診られる体制のメリットを、わかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 虫歯・被せ物・歯周病があっても、矯正を諦める必要がないことが多い
- 大切なのは「順番」。多くは、先に口の中を整えてから矯正に進む
- 一般的な流れは、精密検査 → 虫歯・歯周病の治療 → 矯正 → 必要な被せ物の仕上げ
- 矯正は日本矯正歯科学会の認定医が担当し、虫歯・歯周病・咬み合わせ・被せ物は院長が連携して担当
- 院内に歯科技工所があり、矯正後の被せ物の調整まで一貫して相談できる
- まずは検査で、あなたのケースの順番と見通しを確認することが第一歩
「矯正の前に虫歯を治して」と言われるのはなぜか
矯正は、歯を支える骨や歯ぐきという「土台」の上で歯を動かしていく治療です。土台に問題がある状態、つまり虫歯や歯周病が進行したまま矯正を始めると、次のような不都合が起こりやすくなります。
- 矯正装置が付いていると、虫歯や歯周病の治療がしにくくなる
- 歯を動かしている間に、隠れていた虫歯・歯周病が進んでしまう
- 歯周病で歯ぐきが弱っていると、歯を安全に動かせないことがある
つまり「矯正の前に虫歯を治してから」というのは、断られているのではなく、安全に、そして結果を長持ちさせるための「順番」の話であることがほとんどです。
虫歯・被せ物・歯周病がある場合の治療の順番
一般的には、次のような順番で進めます。あくまで標準的な流れで、実際の順番はお口の状態によって変わります。
| 順番 | 何をするか | ねらい |
|---|---|---|
| 1. 精密検査・診断 | 歯科用CT・口腔内スキャナーなどで全体を把握 | 虫歯・歯周病・咬み合わせ・歯並びを総合的に確認する |
| 2. 虫歯・歯周病の治療 | 進行した虫歯や歯周病を先に治す | 矯正の土台を整える |
| 3. 矯正 | マウスピースやワイヤーで歯を動かす | 歯並び・咬み合わせを整える |
| 4. 仕上げの被せ物など | 必要に応じて被せ物・詰め物を作り直す | 整った歯並びに合わせて仕上げる |
とくに4番目がポイントです。古い被せ物や大きな詰め物がある歯は、矯正で歯の位置が変わった「あと」に作り直したほうが、周りの歯にぴったり合う仕上がりになります。先に作ってしまうと、矯正後にやり直しが必要になることがあるためです。
被せ物は「矯正の前」より「矯正のあと」が合いやすい
今ある被せ物が気になっていても、矯正を予定しているなら、仕上げの被せ物は矯正後に検討したほうが、結果的にきれいに合うことが多くあります。どのタイミングがよいかは診断のうえでご提案します。
誰が担当するのか(役割分担)
複数の治療をまたぐからこそ、「誰が何を担当するか」がはっきりしていることが大切です。加茂歯科医院では、次のような役割分担で連携しています。
- 矯正(歯を動かす診断・治療)は、日本矯正歯科学会の認定医である歯科医師が担当します
- 虫歯・歯周病の治療、咬み合わせの管理、被せ物(補綴)の仕上げは、咬み合わせ・補綴を専門としてきた院長が担当します
- 被せ物や詰め物は、院内に併設した歯科技工所と連携して製作・調整します
矯正を専門に行う歯科医師と、口の中全体を総合的に診る院長が同じ院内で連携することで、「歯並びは整ったのに被せ物が合わない」「治療のたびに別の医院へ通う」といったことが起こりにくくなります。
総合的に診られる体制だと、なぜ安心なのか
矯正だけを行う医院では、虫歯や被せ物の治療は「別の歯科で受けてください」と案内されることがあります。それ自体は悪いことではありませんが、複数の医院にまたがると、情報の共有や治療の順番の調整が難しくなることがあります。
総合歯科である加茂歯科医院では、検査から虫歯・歯周病の治療、矯正、そして仕上げの被せ物までを、同じ院内で計画・連携して進められます。治療の順番を一体で管理できるため、「順番の食い違い」による作り直しや後戻りを防ぎやすくなります。
一方で、外科的な処置が前提になるケースや、より専門的な対応が適していると判断できる場合は、無理に院内で抱え込まず、その旨をご説明し、必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。まずは検査で、ご自身にとって最適な順番と担当を知っていただくことを大切にしています。
なお、マウスピース矯正が「難しい」と言われた歯並びについては、マウスピース矯正ができない歯並びとは?もあわせてご覧ください。
矯正の費用・期間・リスク(検討する前に)
矯正は自由診療(保険適用外)です。検討にあたっては、費用・期間・リスクをセットで理解しておくことが大切です。以下はマウスピース矯正(成人・全体矯正)の目安です。実際の費用・期間は歯並びの状態によって変わるため、必ず検査・カウンセリングでご確認ください。
矯正の費用・期間・通院回数の目安(自由診療・税込)
- 成人のマウスピース矯正(全体矯正):1,155,000円(税込)※保定装置(リテーナー)の費用を含みます
- 精密検査・診断料:55,000円(税込)※別途。無料カウンセリング後2週間以内のご予約で33,000円、当日のご予約で11,000円(いずれも税込)
- 便宜抜歯(矯正のための抜歯):1本 22,000円(税込)※必要な場合のみ
- 歯科矯正用アンカースクリューの埋入:1本 33,000円(税込)※必要な場合のみ
- 治療期間の目安:おおむね1〜2年/通院回数の目安:12〜24回(数週間〜1か月ごと)
- 矯正の前に行う虫歯・歯周病の治療は、状態により保険診療で行える場合があります
主なリスク・注意点もご確認ください。
- マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が必要で、装着時間を守れないと計画どおりに進まないことがあります
- 歯並びによっては適応外となる、または途中で装置の変更・追加が必要になることがあります
- 治療後に歯が元に戻ろうとする「後戻り」が起こることがあり、保定装置(リテーナー)の使用が必要です
- 治療中に一時的な痛みや違和感、発音への影響が出ることがあります
- 便宜抜歯やアンカースクリューを伴う場合は、それぞれに固有のリスク(痛み・腫れなど)があります
- マウスピース型矯正装置には、国内で薬機法上の承認を受けていない製品が含まれます。使用する装置については事前に説明を受けてください
よくある質問
Q. 虫歯があると矯正はできませんか?
A. 多くの場合、先に虫歯を治してから矯正に進めば問題ありません。進行した虫歯や歯周病がある場合は、土台を整えるために先に治療を行うのが一般的です。当院は治療と矯正を院内で連携して進められます。
Q. 今ある被せ物は、矯正の前に新しくしたほうがいいですか?
A. 矯正を予定しているなら、仕上げの被せ物は矯正のあとに検討するほうが、整った歯並びにぴったり合いやすくなります。先に作ると、矯正後にやり直しが必要になることがあります。タイミングは診断のうえでご提案します。
Q. 矯正と虫歯治療で、通う医院を分ける必要はありますか?
A. 当院では、検査・虫歯や歯周病の治療・矯正・仕上げの被せ物までを同じ院内で連携して進められます。医院を分けずに、順番を一体で管理できます。
Q. 矯正は誰が担当しますか?
A. 歯を動かす診断・治療は、日本矯正歯科学会の認定医である歯科医師が担当します。虫歯・歯周病・咬み合わせ・被せ物は院長が連携して担当します。
Q. 歯周病があっても矯正できますか?
A. 歯周病の状態によります。歯ぐきや骨が弱っている場合は、先に歯周病の治療で安定させてから矯正に進みます。まずは検査で状態を確認します。
Q. 治療全体でどのくらいの期間がかかりますか?
A. 矯正自体はおおむね1〜2年が目安ですが、先に行う虫歯・歯周病の治療や、仕上げの被せ物の有無によって全体の期間は変わります。診断時に、あなたのケースでの見通しをお伝えします。
まとめ
- 虫歯・被せ物・歯周病があっても、矯正を諦める必要がないことが多い
- 大切なのは「順番」。多くは、先に口の中を整えてから矯正に進み、被せ物は矯正のあとに仕上げる
- 矯正は日本矯正歯科学会の認定医が、虫歯・歯周病・咬み合わせ・被せ物は院長が連携して担当する
- 院内に歯科技工所があり、仕上げまで一貫して相談できる
- 自由診療のため、費用・期間・リスクを理解したうえで、まずは検査で順番と見通しを確認することが第一歩です
「虫歯があるから」「被せ物があるから」と矯正をあきらめる前に、まずはご自身のケースで最適な順番を知るところから始めてみてください。

監修:加茂 公平
加茂歯科医院 院長
日本口腔インプラント学会 / 日本歯周病学会 / 日本臨床歯周病学会 / 日本CAD/CAM学会 / 近未来オステオインプラント学会 会員
東京歯科大学卒業。九州大学歯学部 第二口腔外科を経て加茂歯科医院を開業。『家族に提供したい治療を』を理念に、歯科用CT・マイクロスコープ・院内歯科技工所を備え、インプラント・矯正から入れ歯まで、口腔全体のバランスを考えた総合的な歯科医療に取り組んでいます。
矯正治療は、日本矯正歯科学会の認定医である歯科医師が診断・治療を担当し、虫歯・歯周病・咬み合わせ・補綴(被せ物)を専門とする院長が連携してサポートします。
《出典》日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」 https://www.jos.gr.jp/

