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入れ歯が合わない・痛い・外れる方へ|調整・修理・作り直しの目安【博多】
「噛むと歯ぐきが痛い」「話していると入れ歯が浮く」「安定剤を使わないと外れる」――合わない入れ歯を、我慢しながら使っていませんか。
入れ歯が合わなくなるのは、使い方が悪いからではありません。歯ぐきや顎の骨は少しずつ形が変わるため、作ったときにぴったりだった入れ歯でも、時間がたてば合わなくなります。多くは調整や裏打ち(内側を作り足す処置)で改善でき、作り直しが必要なのは一部のケースです。
この記事では、福岡市博多区の加茂歯科医院の院長が、入れ歯が合わなくなる理由、症状ごとの対処の目安、保険と自費の入れ歯の違いと費用までを順番にお伝えします。
この記事のポイント
- 合わなくなる主な原因は、歯ぐき・顎の骨のやせ、入れ歯のすり減りや破損、噛み合わせのずれ
- 「当たって痛い」「緩い」「割れた」の多くは、作り直さずに調整・裏打ち・修理で対応できる
- 自分で削る・接着剤で直す・安定剤で長くごまかすのは、かえって合わなくなる原因になる
- 作り直すなら、保険の入れ歯と自費の入れ歯(金属床・ノンクラスプ)を比べて選べる
入れ歯が合わなくなる4つの理由
入れ歯の土台になる歯ぐきと顎の骨は、歯を失ったあとも少しずつやせていきます。入れ歯の形は変わらないので、そのすき間が「緩い」「外れる」「当たって痛い」につながります。
主な理由は次の4つです。
- 歯ぐき・顎の骨がやせた:入れ歯と歯ぐきの間にすき間ができ、浮いたり、一部だけが強く当たったりします
- 入れ歯がすり減った・割れた:人工歯がすり減ると噛み合わせが低くなり、噛む力が偏ります
- 残っている歯が変化した:部分入れ歯のバネをかけている歯が揺れたり、虫歯になったりすると、入れ歯が安定しません
- 作ってから時間がたっている:同じ入れ歯を長く使うほど、体の変化とのずれが大きくなります
症状別|調整で済むか、作り直しか
「合わない=作り直し」とは限りません。症状ごとの対処の目安は次のとおりです。
| 症状 | 考えられる原因 | 主な対処 |
|---|---|---|
| 噛むと特定の場所が痛い | 入れ歯の一部が歯ぐきに強く当たっている | 当たっている部分を削って調整 |
| 緩い・すぐ外れる | 歯ぐきがやせて、すき間ができた | 内側を作り足す「裏打ち(リライン)」 |
| 割れた・人工歯が取れた | 落とした、長く使って劣化した | 修理 |
| バネをかけている歯がぐらつく | 支えの歯の歯周病・虫歯 | 支えの歯の治療と、入れ歯の修理・調整 |
| 何度調整しても合わない/噛み合わせが大きくずれている | 入れ歯そのものと口の形が合っていない | 作り直しを検討 |

自分で直すのは避けてください
入れ歯を自分で削る、市販の接着剤で割れを直す、安定剤を厚く塗って何か月も使い続ける、といった方法は、噛み合わせを崩したり、歯ぐきを傷めたりする原因になります。合わないと感じたら、そのままの状態で持ってきてください。
院内に技工所があると、何が違うのか
入れ歯は、歯科医師が型を取り、歯科技工士が作ります。多くの歯科医院では技工を院外の技工所に頼むため、修理や作り直しのたびに入れ歯を送り、戻ってくるのを待つことになります。
加茂歯科医院には歯科技工所が院内にあり、歯科技工士が常勤しています。そのため、次のことができます。
- 歯科技工士が患者さんと直接話し、「どこが痛いか」「どう噛みにくいか」を聞いてから作業できる
- 修理・調整を院外に送らず、院内で対応できる
- 歯科医師と歯科技工士がその場で相談しながら、噛み合わせを確かめられる

作り直すなら|保険の入れ歯と自費の入れ歯の違い
作り直しが必要な場合は、保険の入れ歯と自費の入れ歯から選べます。どちらが良いかは、残っている歯の状態・予算・何を重視するかで変わります。
| 保険の入れ歯(レジン床) | 金属床の入れ歯 | ノンクラスプデンチャー | |
|---|---|---|---|
| どんな入れ歯か | 歯ぐきに触れる部分がプラスチック | 主要部分が金属 | 金属のバネが無い部分入れ歯 |
| 厚み・違和感 | 厚みが出やすい | 薄く作れ、違和感が少ない | バネが無く、つけ心地が軽い |
| 見た目 | 部分入れ歯は金属のバネが見える | 部分入れ歯は金属のバネが見える | バネが見えにくい |
| 費用(税込) | 保険適用 | 550,000〜660,000円 | 330,000〜550,000円 |
| 向いている人 | 費用を抑えたい人 | 薄さ・丈夫さ・食事の温度感を重視する人 | 見た目を重視する人 |
ほかにも、残っている歯や根に金属の土台をかぶせて固定する入れ歯や、小さなインプラントで入れ歯を固定する方法があります。種類ごとの料金は歯を失った方へのページにまとめています。
自費の入れ歯の費用・期間・回数の目安(自由診療・税込)
- 金属床の入れ歯:550,000〜660,000円(税込)
- ノンクラスプデンチャー:330,000〜550,000円(税込)
- 治療期間の目安:1〜3か月/通院回数の目安:6〜10回(お口の状態により異なります)
自費の入れ歯は自由診療(保険適用外)です。主なリスク・注意点は次のとおりです。
- 新しい入れ歯は、慣れるまで違和感や痛みが出ます。数回の調整が必要です
- 金属床は、金属アレルギーのある方には使えないことがあります。素材の重みで違和感を覚える方もいます
- ノンクラスプデンチャーは特殊な素材のため、壊れた場合は作り直しに時間がかかります。バネをかける歯が無い方には使えません
- どの入れ歯も、歯ぐきや骨の変化に合わせて、作ったあとも定期的な調整が必要です
なお、保険の入れ歯には「前回作ってから6か月たたないと、保険で作り直せない」というルールがあります。作ったばかりで合わない場合は、まず調整で合わせていきます。
加茂歯科医院で相談するときの流れ
- 今の入れ歯を見る:使っている入れ歯をお持ちください。どこが当たっているか、どのくらいすき間があるかを確認します
- 歯ぐき・残っている歯を確認する:支えの歯の歯周病や虫歯も、入れ歯が合わない原因になります
- 調整か、作り直しかを決める:調整・裏打ち・修理で済む場合は、まずそれを行います
- 作り直す場合は種類を比べる:保険と自費の違い、費用と期間をご説明してから決めていただきます
入れ歯ではなくインプラントやブリッジを考えたい方には、その比較もお伝えします。インプラントで骨が足りないと言われた方は、骨造成の記事もご覧ください。
よくある質問
Q. 他の歯科医院で作った入れ歯でも、調整してもらえますか?
A. はい、調整・修理できます。どこで作った入れ歯でも、お持ちいただければ状態を確認します。
Q. 入れ歯安定剤を使い続けても大丈夫ですか?
A. 一時的に使うのは構いませんが、安定剤がないと外れる状態は、入れ歯が合っていないサインです。厚く塗ると噛み合わせが高くなり、歯ぐきへの負担も増えるため、調整を受けてください。
Q. 入れ歯を新しくしたら、すぐに噛めるようになりますか?
A. 新しい入れ歯は、慣れるまで数週間かかります。その間に痛いところや噛みにくいところを調整して、少しずつ合わせていきます。
Q. 自費の入れ歯は、保険の入れ歯と何が違いますか?
A. 金属床は薄く丈夫に作れ、ノンクラスプデンチャーは金属のバネが見えにくいのが特徴です。費用は上の表のとおりで、保険の入れ歯より高くなります。
Q. 入れ歯の手入れで気をつけることはありますか?
A. 毎食後に外して洗い、寝るときは外して水か洗浄剤につけて保管してください。熱湯につけると変形するため避けてください。
まとめ:次にやること
- 痛い・緩い・外れるは、まず調整で改善できるかを確かめる
- 自分で削る・接着する前に、そのままの入れ歯を持って相談する
- 作り直すなら、保険と自費の違い(費用・薄さ・見た目)を比べて選ぶ
合わない入れ歯を我慢していると、食事が偏ったり、残っている歯に負担がかかったりします。早めにご相談ください。
《出典》日本補綴歯科学会 https://www.hotetsu.com/

監修:加茂 公平
加茂歯科医院 院長
日本口腔インプラント学会 / 日本歯周病学会 / 日本臨床歯周病学会 / 日本CAD/CAM学会 / 近未来オステオインプラント学会 会員
東京歯科大学卒業。九州大学歯学部 第二口腔外科を経て加茂歯科医院を開業。『家族に提供したい治療を』を理念に、歯科用CT・マイクロスコープ・院内歯科技工所を備え、インプラント・矯正から入れ歯まで、口腔全体のバランスを考えた総合的な歯科医療に取り組んでいます。

